1846年に最初の全権大使杯が開催されて以来、競馬は香港でもっとも人気の高いスポーツです。1884年に設立された非利益団体の香港ジョッキークラブがハッピーバレーとシャティンの競馬場を経営しています。
最初のレースは1846年12月17日と18日に開催されました。最初の競馬場は竹製の観客席があっただけで、1918年2月26日に露店商の炭火が原因で火事が起り、600
人以上が亡くなるという悲劇が起りました。その後、臨時観客席の時代をへて、1931
年に3階建ての2つのスタンドが建設されました。
現在の観客スタンドは、1957年に建てられた7階建ての2つの建物です。1989年に拡張工事が行われ、1994年には大型改装のために閉鎖され、1995年末期に再びオープンしました。1994年の改装によって、全芝生敷きのトラックの幅が30メートル広まり、悪名高かった急カーブが緩和されました。 レースは最初、年1回だけで、通常は旧正月に開催されましたが、すぐに重要なソーシャル・イベントとなりました。現在は毎年9月から翌年の6月までがシーズンで、ほぼ毎週、水曜日の夜と土曜日または日曜日の午後、いくつかの休日にレースが開催されています。 ナイターは1973年に始まりました。同じ年に違法ギャンブル対策のひとつとして、政府の認可を受け、場外馬券売り場の営業も始まりました。その翌年には電話による馬券販売サービスも始まりました。現在、場外馬券売り場は119ケ所にあります。場外馬券売り場では、宝くじのマークシックスも買うことができます。マークシックスも香港ジョッキークラブが運営する公認ギャンブルです。
香港国際レースは国際的に有名な競馬レースで、世界各地から馬とジョッキーが集まります。 これは世界で3番目に賞金の高い一日レースで、2002年6月には既存の国際グループ・ワンの3レースに「香港スピリット杯」を加えることが認可され、4レースとなりました。複数のグループ・ワン・レースを同日中に開催するのは、世界でも珍しいことです。香港国際レースは毎年12月に開催されます。 毎年3月に開催されるオーダマ・ピゲ・エリザベス二世女王杯も、競馬チャンピオンシップのワールドシリーズの一貫です。ワールドシリーズのレースが年に2回以上行われるのは、世界で香港とアメリカだけです。 第一回香港ダービーは1878年、ハッピーバレーで開催されました。他の国のダービーは3才以上の馬の2400メートルのレースですが、香港ダービーは4才以上の馬が
2000メートルを争うユニークなレースです。この馬の年の差の原因は、香港のレース馬には北半球生まれと南半球生まれが混ざっているので、双方の馬の成熟度をあわせる必要があるためです。また、輸入された3才馬を香港での生活に慣らせる必要もあるためです。
香港ジョッキークラブは香港最大の慈善団体で、純利益は香港の社会生活向上プロジェクトと慈善プロジェクトに寄付されます。香港ジョッキークラブ慈善信託は毎年、
10億香港ドル以上を147の慈善団体、学校や診療所その他の公共機関の設立プロジェクトなどに寄付しています。また、オーシャンパークや香港演芸学院、科学技術大学、香港公園などの大型公共プロジェクトへの融資も行います。このような活動が認められ、
1960年には「ロイヤル」を名前につけることが許され、ロイヤル香港ジョッキークラブとなりました。けれども1997年7月1日の主権返還に備え、1996年7月1日にはロイヤルを外し、香港ジョッキークラブに再び改名しました。 |